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家康公が愛したまち静岡

■徳川家康公ゆかり歴史訪問in江戸 報告書

「家康公ゆかり歴史探訪in江戸~増上寺と皇居東御苑~」(令和5年1月19日)

今回の視察会は、本会と徳川みらい学会との共催事業だったため、事務局を含めて30名の参加で実施しました。現地集合の一部の方々を除いて、早朝7:20に静岡駅新幹線改札口前に集合し(脱落者なし!)、新幹線で一路東京に向かいました。晴天に恵まれ、絶好の旅行日和。コロナ感染に気を付けながらも、和気あいあいの道中になりました。
 最初の訪問先は、芝の増上寺。家康公の葬儀が行われた寺としてあまりに有名。この日は主に「三解脱門」(重要文化財)と宝物展示室内の「台徳院殿霊廟模型」を視察することができました。「三解脱門」は、日頃は非公開ですが、この日は特別に内部を見せていただきました。急こう配の階段を恐る恐る上がると、安置されている釈迦三尊像と十六羅漢像の仏像が目に飛び込んできました。神聖で壮観な雰囲気に圧倒されました。





「台徳院殿霊廟模型」は、徳川二代将軍秀忠公御廟の建築模型です。日英同盟を更新し日英関係を強化する目的で1910年開催された日英博覧会に出品され、英国国王に献上されたものですが、現在は永久貸与により増上寺に里帰りしています。その建築模型は1/10スケールで精緻を極めていて、その素晴らしさに感動しました。当時の東京市が威信をかけて東京美術学校に委嘱し、高村光雲など教授達が最高の技術を駆使し最高の材料を投入して制作させたことがよく分かります。
法伝寺住職(増上寺の前執事長)の友田達祐さんのご高配とご案内により、内容の大変濃い視察になりました。友田さん、ありがとうございました。


次の訪問先は、皇居東御苑。江戸城本丸、二ノ丸、三の丸一部を天皇の意向により多様な樹木や草花で配置し整備した庭園ですが、壮大な石垣や番所が随所に残されて往事が偲ばれました。この日は主に「江戸城天守復元模型」と「天守台」を視察することができました。「江戸城天守復元模型」は、それ専用の本丸休憩所増築棟の中に置かれた1/30スケールの寛永期天守の復元模型です。緑色の銅瓦と黒光りする外壁に覆われていた江戸城天守の外観の様子を知ることができましたが、増上寺の「台徳院殿霊廟模型」とは違い、内部の様子が分からないことと1/30という小さいスケールのため表現と材料に限界があったことが少し残念でした。


「天守台」は東西約41メートル南北約45メートルの大きさで、高さは約11メートルという規模。ところが、この天守台の上に一度も天守閣が立ったことがないと説明を受け、「えーっ、なぜ?」と思ってしまいました。どうやら四代将軍家綱公の補佐役だった会津藩主の保科正之が「天守は軍事上役に立たず、労力を費やすべきではない」と言ったことが原因のようでした。
江戸城天守を再建する会理事の黒木さんの懇切丁寧なご案内により、東御苑全体を視察することができ、特に石垣については詳しく説明していただきました。黒木さん、ありがとうございました。(文責・事務局長 木宮岳志)